マイアミ、デザイン地区に誕生したDolce & Gabbanaの新しいストア。透明なカーテンのようなガラスのファサードを通して見せるブランドの世界は、まるで劇場の舞台裏。ドミニコ・ドルチェ、ステファノ・ガッバーナが共に愛する、ミラノのスカラ座へのオマージュを、グエナエル・ニコラのデザインで体現しました。

２フロアに大胆にまたがるガラスのファサードが、フロリダに溢れる太陽光を取り込み、明るく反射します。波打つファサードが光を揺らし、その向こう側にあるディスプレイに動きを与えます。

カーテンの向こう側には、まるで来客を劇場に迎え入れたかのような、Dolce&Gabbanaの空間。バロック調の鏡やカウンター、光沢のある金属や金のヴェルヴェットで装飾されたウォルナットの什器が、Dolce&Gabbanaのコレクションを引き立てます。ガラスのディスプレイ棚や色彩豊かなジュエリーと相まって、舞台美術を思い起こさせるでしょう。

天井に設えられたスポットライトが照らすのは、イタリア古典の塑像たち。オペラ或いは戯曲の出番を待つキャストのような佇まいで存在感を放ちます。

2つのフロアをつなぐ階段。浮遊するトラバーチンの厚板が、魔法の世界に登場するような不思議な階段を演出します。統一感のある色彩の中で、厚みと質感の違いを見せることで、素材本来の美しさを際立たせています。

2階では、天井の黒い質素な雰囲気が、露わになった装置とともに舞台裏のような感覚を助長しています。

不規則に構成された壁と天井の石材。仕上げとパターンの不統一感が、不朽の美しさを醸し出すとともに、イタリア元来の美しさをも呼び起こします。

1階と2階をつなぐ1枚のカーテンのようなガラスの壁は、演劇の感覚を創り出しています。