4 DEC, 2017

ENGLISH

JAPANESE

“THE BAROQUE POETRY OF NATURE”:
DOLCE&GABBANA FLAGSHIP STORE IN LONDON

DOLCE & GABBANA LONDON —自然が生んだバロック詩

 

オールドボンドストリートに新しく誕生したDolce & Gabbana。このストアは、王室からパンク、つまり気品とアヴァンギャルド、といった両極の美学を併せ持つロンドンに捧げる頌歌のつもりでデザインしました。 この両極の感覚を表現するのは、単色の色彩ながら、迫力と活力溢れる世界をもたらす天然石の詩のようなパターン。
巨大絵画を描く芸術家のように、それぞれのスペースが自然美への賞賛を繰り広げています。捻転、湾曲、炸裂など、天然石が、想像を絶する表現力を発揮しています。

 

オールドボンドストリートの活気を惜しみなく取り込む、広く開放的なエントランス。同時に、ストアの温もりもまた、街へと放たれます。

 
 

1階には、レディースとメンズのコレクションと、ストリートファッションに特化したミレニアルコーナーが並びます。激しく目に飛び込んでくる、溢れ出るほどダイナミックな石のフロア。世界中から集められた石材が織りなす鮮烈なグラフィックパターンが店内全体に流れ、力強い大河のように、お客様を各コーナーへと運びます。

 

上階へ誘うのは、黒のマーブルで設えられた螺旋階段の曲線美。コントラストの印象的な大理石は、一段ずつ手作業ではめ込まれたものです。

 
 

2階と3階の主役として、立方体にくり抜かれた空間は、ファインジュエリーのための特別な場所。 左右対称に組み合わされたマーブルが、天井から床までを一続きに覆い尽くします。 空間を挟む壁は全面に鏡を張り巡らせることで、視覚的に奥行きを作り、小部屋がまるで流れる川の上に浮かんでいるような演出となっています。

 
 

ダイナミックな石の自然美とは対照的に、最小限のフレームに収められた商品ディスプレイは、広がる光の中に浮遊する絵画のようにも見えます。素材に用いたイタリアンウォールナットが、ディスプレイの細部を強調します。

 

創造意欲を掻き立てるようなエネルギーと光は、この空間のキーとなる要素です。 ストア全体に浮遊感を与える、Barbara Balestreriの照明デザイン。広がったり消えたりする陰影の中で、人が空間に溶け込むよう考えられたデザインです。 FLOSとの協力を得て製作した天井のフィクスチャ。炸裂したままフリーズしたシャンデリアのかけらが舞っているような姿を連想させます。

 
 

4階から最上階までの3フロアは、最もラグジュアリーな空間です。 精巧に設えられた楕円型の階段は、一段一段に配した断続的な大理石により独特のパターンを生み出しています。 階下からでも階上からでも眺めることのできるその姿は、一本のシルクのリボンを思い起こさせるでしょう。

 

完全に修復された外観のファサードには、歴史的建造物が元来持つバロック様式の印象を残しています。 濃色の鍛鉄で繋げられたバルコニー。金の建具で各階に異なる表情が生まれ、その佇まいを特徴的なものにしています。

PHOTO: ALESSANDRA CHEMOLLO

CURIOSITY INC. COPYRIGHT 2017