Monde Parallèleが見せる空間は、美しい抽象表現に満ちたオブジェの世界。親密な雰囲気を持ちながら意外性をも秘めた石柱が、ソファやコンソール、テーブルといった機能を持つ家具となり、神秘的な会場をリビングやダイニングとして満たしていきます。インスタレーションはイタリアと日本のアーティストの技により生まれた、独特の風合いを持つ素材でまとめられています。家具とオブジェを同じ類型として捉え、創り上げるという考えは、さらに発展し、物体そのものの存在意義に対して再度熟考するところにまで至りました。
“未来は既にあるものとして認識すべきなのか、或いは、想像するところから始めるものなのか?機能が意味を失ったあと、物体には何が残されるのか?”この疑問から想像を巡らし、グエナエル・ニコラは今回の作品を創り上げました。Monde Parallèleを表現する場として相応しい舞台となったBagatti Valsecchi Museumは、後世の芸術と工芸の発展に大きく寄与したルネサンス時代を象徴する場でもあります。ミラノの中心にできた独特の雰囲気の中で、過去、現在、そして未来が共存しているのです。
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