ビルの中央まで贅沢に開かれた吹き抜けのあるエントランスには、二つのフロアをつなぐ赤い大理石の螺旋階段。そのデザインは、Giacomo Barozzi da Vignolaに代表されるルネッサンス時代のイタリア建築からヒントを得て生まれました。そこに、天井の鏡面を彩る銀箔といった意外性のある素材を使うことで、空間に現代的なエッセンスを加えています。
Palazzoで特に感じてもらいたいのは、時間の流れと物質の動きです。つまり、この階段は単なる石の物体ではなく、動きを感じさせる石であるべきなのです。優雅にゆらめくドレープのように、あるいは、流水と化した石のように、トラバーチンの壁面に囲まれ、生きて動いているのです。